
根管治療とは
根管治療をしても再発してしまう……。 何とかして欲しい……。
このような悩みを持たれた患者さんが、 当院に遠方からいらっしゃいます。
再発してしまうには理由があります。 その理由をしっかりと把握し、対処することで、再発を防ぐことができます。
そして他院で「抜歯」と言われてしまった歯でも、救える可能性があります。

根管治療は、最初が肝心!

神経を取ると、歯の寿命が短くなってしまうことをご存じでしょうか。歯の神経(歯髄)には、歯に栄養を届ける血管なども含まれています。神経を取った歯は栄養を受け取ることができなくなり、時間の経過とともに弱くなっていきます。
そして、神経を取ると再び痛みが出る、つまり炎症が再発する危険性が、非常に高くなります。炎症が再発すると、弱くなった歯をさらに削ることになります。これを繰り返すうちに、いずれ歯は割れてしまい、抜歯することになります。
根管治療は、繰り返せる治療ではありません。
成功率が高い治療法を、最初に行う必要があります。
日本の根管治療の成功率は、せいぜい30%程度、どんなに高く見積もっても50%程度しかないと言われています。
一方で、欧米では90%を超える成功率があります。日本では保険診療の制約で、欧米では当たり前に使われている器材や技術を使うことができず、これだけの差が開いてしまうのです。
こちらは、アメリカで行われた統計です。
根管治療の精度
被せ物
成功率
パターン①
◎
自費
91.4%
パターン②
⚪︎
自費
67.6%
パターン③
◎
保険
44.1%
パターン④
△
保険
18.1%
このデータを見ると、精密な根管治療を行い、適合の良い自費の被せ物の治療を行った場合の成功率は91%、治療の精度が低く、被せ物も適合の悪い保険の治療であれば、約80%以上の確立で再発するということが読み取れます。

米国式 精密根管治療の取り組み
根管治療において「精度」はとても重要で、高い精度と高い成功率を達成させるために、当院では、「米国式 精密根管治療」を行っております。
以下が「米国式」の大きな特徴です。
「拡大された視野」での治療
「無菌状態」での治療
「ニッケルチタンファイル」の利用
「殺菌」の徹底
「拡大された視野」での治療
「視野の拡大」
根管内の感染部位の取り残しがあると、根管治療の成功率が低下します。
根管内は狭く、暗く、複数に分岐しているため、繊細な作業が求められ、治療は困難を極めます。
そんな治療を「日本式」では「肉眼」で行わなければなりません。当院では歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を使用しています。マイクロスコープは肉眼の何十倍も視野を拡大してくれます。
次の画像をご覧ください。
「同じ部位」を肉眼とマイクロスコープで見た際に、ここまで視野が違ってきます。


「見える」レベルが全く違うため、治療の精度が格段と向上します。 マイクロスコープを利用することで次のようなメリットが生まれます。
・治療回数/来院回数の短縮
・成功率の向上
・抜歯リスクの低下
・再発率の低下
「見えない根管を「CT」で可視化」
また、当院では根管治療において診断精度を高めるために「CT」を使用しています。重症化しないとレントゲン画像では写らない早期の病巣でも、CTでは確認できる場合が多いためです。根管は複雑に枝分かれしているため、マイクロスコープではどんなに拡大しても入口しか確認できません。 そんなとき役立つのが「CTによるスキャン画像」です。根管の様子が確認できるため、治療の成功率が高まります。
下記の画像をご覧ください。 下の写真はCT(左)とレントゲン(右)を比較したものです。 丸をつけた部分が問題の病巣です。レントゲンの方では、ほぼ写し出せていません。


「無菌状態」での治療
「無菌状態での処置」
再感染防止のため、ラバーダムを使用します。
ラバーダム防湿とは、治療する歯以外に覆いかぶせる薄いゴム製のシートのことを言います。
ラバーダム防湿を使用すると、口腔内の唾液に含まれる様々な細菌が治療部位に侵入し感染することを防ぐことができるので、無菌的な状態で治療を行うことができます。逆に言えば、ラバーダム防湿を使用しないで行う治療は、治療部位への細菌感染のリスクが高まり、再治療の原因にもなります。
「日本式」ではほとんど行われない処置ですが、「米国式」では当然の処置です。 これを行うか行わないかで「成功率」に大きな違いが出ます。

「ニッケルチタンファイル」の利用
「ニッケルチタンファイル」で
感染部位を取り除く
感染部位を取り除く作業には、「ファイル」という、ヤスリのような器具を用います。
一般的な歯科医院では、ステンレス製のファイルが用いられますが、ステンレス製のファイルは硬く、複雑な形をした根管内にはうまく入らないことがあります。
当院では、ニッケルチタン製のファイルを使います。ニッケルチタンは柔らかく、根管の複雑な形状に追従し、感染部位をしっかり取り除けます。

「殺菌」の徹底
「殺菌の徹底」
「ファイル」で感染部位を取り除いても、小さな削りカスが残ってしまいます。削りカスにも細菌は含まれますので、綺麗に洗浄する必要があります。
削りカスを溶かす「EDTA」
EDTAとは、歯の削りカスを溶かす消毒剤です。これを使用することにより、治療箇所から不純物を除去し、根管内で菌が増えるのを防止します。

殺菌と歯周組織の再生効果がある「MTAセメント」
根管治療の最後の仕上げとして「根管充填」という工程があります。これは、歯の神経を取ったことにより空洞になった根管内を緊密に塞ぐ処置のことを指します。空洞になった隙間を完全に塞ぐことが出来なければ、再び感染してしまう可能性が高まります。一般的には「ガッタパ―チャ」と呼ばれる、ゴムのようなもので隙間を塞ぐのですが、複雑な構造の根管内をこのガッタパ―チャでは完全には塞ぎきれないケースが多々あります。一方当院では、根管内を隅々まで緊密に塞ぐことができる、「MTAセメント」という薬剤を使用しています。
この薬剤は、「殺菌効果」と「歯周組織の再生効果」があることです。治療後も、根管内を清潔に保つことができ、歯の硬い組織(セメント質)の再生を促してくれます。
かつ、殺菌作用及び強い接着性、歯の組織再生効果も兼ね備えているため、治療後の経過が非常に良好になります。


抜歯を回避する 「歯根端切除術」
歯の根に炎症が起こると、根の先端に膿が溜まることがあります。炎症がひどく、たくさんの膿が溜まると通常の根管治療では対応できず、抜歯となることがあります。
当院では「歯根端切除術」という術式で、抜歯せずに治療できることがあります。
歯根端切除術では、歯茎を外から切開し、膿の袋を根の先端ごと取り除きます。


「歯を守る」治療の実施
根管治療は歯科治療の基礎となるものです。 この治療がうまくいくかどうかで、歯の寿命が大きく変動します。ですが、保険制度の問題や各歯科医師の治療に対する意識の低さにより、この基礎治療をしっかりと行っている医院さんは少なく感じられます。
当院では、たとえどのような問題があろうとも、「1本1本の歯を守る」という思いで治療を行っております。しかしケースによっては、粘り強い意志で診療に臨んだとしても、「抜歯」せざるを得ないこともあります。
最終的には現状をご説明し、治療を続けるか抜歯をするのかの選択を、患者さんご自身に選択して頂きますが、私としては「抜歯」は最後の手段と考えております。
根管治療が必要な方、他院でなかなか治療が終了しない方、治療をしたが痛みが取れない方、一度当院にご相談して頂ければと思います。





